1_19-7-21
21th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 10年位前にスリランカのBorneo Exoticsから輸入したクローン。 前回の栽培記録から約3年ぶりの記録更新になる。輸入した時は小さな苗の茎根がポキッと折れて届き落胆したが挿し木してみたらすぐに根が出て生育してくれた。本苗を入手する以前にもAWや同じくBEから同クローンを3~4年ほど育成していたが引越の際に枯らせてしまった。その他に現在も本クローンと同産地G.Rayaの実生個体、そしてHose山脈産の実生個体等を育成しているがどれも基本的に暑さに強く、近縁種のN.lowiiなんかを小苗から育成させる事と比べると栽培は凄く簡単に感じる。とはいえ何故かアダルトまで育成出来る人は少なく中株の栽培品を見掛ける機会も少なかったので、本種は枯らしてる人が多いんじゃなくて、そもそも人気がなく育てる人自体が居ないのかな?とも考えたが、数年前AWやBEといった輸入元の販売リストから本種が消えた後は一気に小苗の価格が跳ね上がりネット上でもN.ephippiataを探してる人を結構見掛けたのでやはり人気はあるようだ。


2_18-8-26
26th Aug.2018  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 2018年8月の捕虫袋。 手に取って撮影した写真が無くて残念だが、この下位袋は大きくて見応えがあるものだった。この後、蓋の裏に生えた剛毛(髭)からモコモコの白い分泌液が止めどなく溢れ出した。この下位袋はもう一度じっくり見たいな。


3_18-8-26
26th Aug.2018  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 上画像と同日2018年8月の植物体。 この写真は母を喪う2日前になるが、実はこの年の初夏頃からとても植物栽培なんかできる心境ではなく、妻も私の母の介護を一生懸命してくれていたので温室は自動潅水と冷房をコントロールする事なく24時間稼働させていた。その結果、根腐れして朽ち果てて行く株が出てきたが何の手立てを講じる事なくその後温室を閉ざしてしまった。

4_18-8-26
26th Aug.2018  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 大きくボッテリ太った下位袋。袋筒には細かい毛がびっしり生えていてスウェードの様な肌触りが気持ちよかった。今の心境ならもっと色んな角度から写真撮影してたのになぁ。


5_19-7-7
21th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 去年2019年6月、開いたばかりの捕虫袋。中位的な感じはなく下位袋から突然上位袋が出来た感じ。 失敗ばかり繰り返したので上位袋が出来るまでとても長い年数だった。N.ephippiataの上位袋は長年の夢だったが、去年それを見た時『できた!』ほどの感じでそれ以上の熱い想いが沸き上がる事がなかった。ネペンテス栽培が飽きた訳じゃない。ネペンテスに費やす想いが無くなっていた。


6_19-7-7
7th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 上画像と同日2019年6月の植物体。この頃は、去年同様に止む事無く降り注ぐ潅水シャワーの影響でスマトラ系原種とN.lowiiが根腐れで全滅してしまった。他の原種も草体がひどく傷み葉も汚らしく見るに耐え難い栽培品ばかりになっていた。 中央後部の株がBEのG.Rayaクローンで手前右下の株は同G.Rayaの実生個体。両株ともずっと水浸しだったが根腐れは起こさなかった様だ。


7_19-7-7
7th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 手前の開いたばかりの上位袋がBEのG.Rayaクローンで左奥の上位袋はG.Rayaの実生個体。写真は撮ったもののじっくり観察していないので相違点は分からない。


8_19-7-21
21th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 蓋が開いて2週間ほど経った上位袋。この後段々と色濃くなり蓋の裏から大量に密を垂らしたんだろうな。


9_19-7-21
21th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 去年6月の植物体。ビショビショに濡れっぱなしながら必死で生きようとしている草体。去年はこの日前後を後にその後植物を見に温室に入った覚えもない。 自業自得とはいえ沢山の栽培品を腐らせ残存する株も激しく傷んだものばかり。 栽培を止めるつもりは全くなかったがもうネペンテス栽培に直視出来なかった。


10_20-10
9th Oct.2020  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 今日の植物体。 温室を閉ざしている間にダニなのかアザミウマなのか判らない(多分ダニ系)の食害を受けたのであろう。今年春を過ぎた頃に温室に入り周りを見渡すと残存する多くの株の新芽が焦げた様に縮れ成長点から枯れてしまっているものばかりだった。もうひとつ冬に灯油切れしているのに気付いた時は貴重な低地生種を沢山失ってしまった。
この株も慌てて薬剤散布したけど手遅れで本茎は絶望的になってしまった。最後の力をふり絞って地際から脇芽を出してくれたので大切にしなければならない。


11_19-7-21
21th Jul.2019  Nepenthes ephippiata - clone G.Raya / Borneo Exotics

 植物は見てやればやるほど健康で元気に育つ。 見る度に一鉢一鉢の小さな異変に気付いて対処出来るしどうすれば植物が喜んでいるか判るから。毎日毎日の観察ほど大切なものはない。 実はこの秋になるまで葛藤していた。基本的にウツボカズラが大好きで育成そのものも大好きだが必死で集めた極上個体や小さな苗から10年以上も掛けて育て上げた株を失ったり残った株も風前の灯の様な傷み様で少し手を抜くとそのまま枯れてしまいそうなものばかり。『もう止めようか』とか『もう止めよう』とずっと考えながらもどうしても止めたくない自分に『今から又1からはじめるのか?小さな苗を又せっせと買い集めるのか?数十万円も使って優良株を買っても身辺の変化で一瞬にして失うかもしれないのに。それに昔と違って子供たちも大きく成り何かとお金が掛かるし、私自身も毎年手術しなければならない身体になってしまいさらにお金が掛かる。枯れて無くなる植物に何百万円も使うより欲しい高級車を買うべきだ。』等々と客観的に正しい選択を選ぼうとしていた。でも止めれないみたいだ。ネペンテス栽培は面白い。もう人生の一部だと感じているし栽培に夢中の時は私自身がウキウキしている。 もう少しこの狂気の趣味を楽しんでみようと想う。