
Nepenthes mira / JIPS
今回は Nepenthes mira の栽培記録を書く事にする。
前回の栽培記録は2008年10月だったので、5年ぶりの栽培記録である。
本種はフィリピンのパラワン島で発見され、1998年に登録された、比較的に新しい原種である。
初めて N.mira を見た時の衝撃を今でも忘れない。 砲弾型の捕虫嚢が何とも奇抜で格好良いものに見えた。
しかし後に、近縁種である N.palawanensis、N.attenboroughii という大型種の発見で、本種の存在感がすっかり薄れてしまった。
300鉢程ある当温室の中で隅に追いやられ管理もままならぬ存在であった。
しかし本種の捕虫嚢はやはり素晴らしいものだと再認識した。

7/19/2010 植物体
導入当初はモヤシの様に線の細い弱々しい苗であった。
葉は展開するものの、なかなか草体の直径が大きくならず無駄に茎だけが伸びていた。 また本苗だけが常にコナダニによる食害を受け続けていた。
常に調子が悪く根を愚図らせていたのは明確であったので、根を切除して挿し木してみたところ成長が始まった。
何年経っても大きくならない苗は根を傷めている場合が殆どである。 この場合、
根を切り捨てて挿し木にする事で植物体が活性化する。
本個体の根を傷めた大きな原因はメディアの過湿である。 大雑把な表現になるが
フィリピン原産の高山性種はどれも根の過湿を嫌う。 用土を乾かし気味で作ると調子が良い。

N.mira の個体差
左上:ベルギーの Ignace Janssens 氏 右上:フランスの Azais Cedric 氏
左下:イギリスの Simon Lumb 氏 右下:ハワイのナーセリー Leilani
本個体は JIPS から買ったものだが、当時は Wistuba と Borneo Exotics からしか販売されていなかったので、輸入元はそのどちらかだと想える。
発売当時はフラスコで実生された個体であったので色んなものがあった。
現在はランダムで残されたフラスコからのクローンしか入手出来ないが、果してどんな個体がクローン化されているのであろうか。
最近、本種を作っている栽培家を知らないので謎のままだ。

4/4/2012 植物体
まだ未成熟な筈なのに開花した。 この頃はまだ本種を駄物扱いしていたので、用土の濡れ具合等に感心が無かった。 赤い葉は冬の低温で紅葉したものであるが成長が良く、調子が悪そうには見えない。
何故、開花したのか謎であるがホルモンが狂っているのか・・・・・?

本個体が♂だと判った。
花はなかなか綺麗な方か? ネペンテス特有の水臭い香りがしたが、あまり臭いはきつくない。

July 2013 今年の夏の捕虫嚢
この形が堪らなく良い! 色合いもかなり綺麗だと想う。

July 2013 植物体
本種は小型であるが栽培品としてのインパクトは大きく、じっくりと育てると面白い。 今まで放置していた事を反省しなくてはいけない。
本種はパラワン島の海抜 1,500m~1,600mに自生しているので夏季の暑さで弱る事がない。 逆に冷やし過ぎたり過湿すぎると調子を落としてしまう。
低地性ネペンテスと同様の管理の方が調子が上がる。 N.ventricosa と同じく用土を乾かし、沢山の日照と通気を好む。

July 2013 今年の夏の捕虫嚢。 このエグさが最高にそそる!
今年も春に開花し現在も花芽を出しているが花芽を切除した。
次はロゼットを脱却し、徒長を始めた茎から生成される上位袋を見てみたい。
~ For Recreation ~
スリップノットの音が大好きだ。
落ち込んだ時は無理に明るく振舞わず、とことん落ち込めば良い。
そうすると気持ちの切替がスムーズに出来る。
切替のトリガーとして激しいグルーヴを全身で感じる。
昨日はスリップノットの音を撤夜で聴いた。
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